1980年生まれ。二児の父。
2003年からソフトウェアエンジニアとして働いています。
これまで、ソフトウェア開発、データセンターやWebサービスの運用、SRE、エンジニア組織のマネジメント、DX、データ基盤、AIなど、さまざまな領域に関わってきました。
仕事は変わっても、ずっと興味があるのは「仕組みをどうすれば、少しずつ良くしていけるのか」ということです。
私が小学生だった頃、環境問題が大きな社会問題になっていました。
川や海は汚れ、都会の空気は排気ガスで黒ずみ、森林破壊や酸性雨、オゾン層の破壊など、さまざまな問題が報道されていました。
その頃から、ずっと不思議に思っていたことがあります。
「世界を悪くしたいと思っている人は、そんなにいないはずなのに、なぜ世界は悪くなってしまうのだろう」
大人になってエンジニアになり、SRE(Site Reliability Engineering)という考え方に出会いました。
SREには「今日よりも明日を良くする時間が必要」という、とてもシンプルな原則があります。
問題が起こらない完璧なシステムを最初からつくるのではなく、問題を観測し、原因を理解し、改善し、今日より明日のシステムを少しずつ良くしていく。
SREを実践するうちに、私はこれがシステムだけの話ではないことに気づきました。
人も、会社も、組織も、行政も、社会も同じなのではないか。
問題を発見できること。
そこにいる人の声が届くこと。
意思決定する人がそれを知ること。
実際に行動すること。
そして、その結果を観測して次の改善につなげること。
そんなフィードバックのループが回り続ければ、社会も少しずつ良くしていけるのではないか。
小学生の頃から持っていた疑問に、エンジニアリングを通して自分なりの答えが見えてきました。
インターネットが社会の基盤となり、AIが実用的になってきたことで、社会の意思決定の仕組みそのものも変えられるのではないかと考えるようになりました。
そこで2023年、大田区議会議員選挙に無所属で立候補しました。
政治家になることそのものよりも興味があったのは、「もっと普通の人が、社会の意思決定に参加できる仕組みをつくれないか」ということでした。
選挙のときだけではなく、普段から市民が「いま何が議論されているのか」を知ることができる。
分からないことがあれば聞くことができる。
そして、自分の意見を行政や議会へ届けることができる。
テクノロジーを使えば、そんな民主主義の形もつくれるのではないかと考えていました。
選挙が終わったあとも、この関心は変わりませんでした。
2026年には、チームみらいが公開している「みらい議会」をベースに、大田区版の「みらい議会@大田区」を作って公開しました。
大田区議会でいま何が議論されているのか。
どんな議案が提出されているのか。
区民からどんな請願や陳情が出されているのか。
そうした情報を、できるだけ分かりやすく見ることができるサービスです。
政治に興味がない人が多いというより、政治を知るためのコストが高すぎるのではないか、と私は思っています。
議会の資料を探して読み、制度や用語を理解し、何が自分の生活に関係するのかを判断する。それを日常的に行うのは簡単ではありません。
であれば、エンジニアとして、そのコストをソフトウェアとAIで下げればいい。
まず何が議論されているのかを知る。
分からなければAIに聞く。
そして、自分なりの意見を持つ。
将来的には、そこで生まれた区民の声が議会や行政にも届いていく。
そんな、政治と市民の間にフィードバックループがある状態をつくってみたいと思っています。
現在は仕事でも、人の声と意思決定をつなぐ仕組みをつくっています。
会社で働いていると、多くの人が課題に気づいていても、その声が経営まで届かなかったり、声を上げても、その後何が起きたのか分からなかったりします。
そこでAIを使って従業員の声を聞き、それを整理して経営に届け、意思決定やアクションにつなげ、その結果をまた従業員に返す。
そんなフィードバックの循環をつくろうとしています。
区民の声を行政や議会へ届けること。
従業員の声を経営へ届けること。
システムの状態を観測して改善すること。
一見まったく違うように見えますが、私にとってはすべて同じテーマです。
そこにいる人たちが、自分たちのいる場所を、自分たちの力で少しずつ良くしていける。
そのためには、声が届き、意思決定につながり、何が変わったのかがまた返ってくる仕組みが必要です。
システムでも、会社でも、地域でも、社会でも。
私はエンジニアとして、そんなフィードバックループを実際に動くものとしてつくっていきたいと思っています。