"もう何も足すものがないときではなく、もう何も取り除くものがないときが完璧である"
- アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『人間の土地』
シンプルであることこそが最良の状態です。無駄なものをなくして限りある資源を生産的なことに使いましょう。
何かを作ることは楽しいです。人は何かを作り生み出すことで文明を発展させてきました。しかし、砂場の城のようにただ作って壊すのではなく、それを維持しようとしたときにモノは負債となります。
つまり、それを持っているだけでお金と労力がかかるようになります。何かを作るときには、維持のコストを払う意義があると言えるのか慎重に考える必要があります。
新空港線を作るのも維持するのも途方もないコスト(現時点での見積もりで約1360億円)がかかります。バブル時代ならともかく、現在そこまでのコストを払って得られるものが大田区民にあるのでしょうか。
そもそも誰が喜ぶのかも不明です。
確かに歩かなくて済むという意味で便利にはなりますが、それだけなら他にも方法はあります。羽田空港を使う人は羽田空港を使う理由があって使っているので、その間を歩かなくて済むからもっと羽田空港を使おうとはならないのはないでしょうか。地元経済的にも両駅間の商店街を素通りすることになり、売上が減るでしょう。
それなら両駅間の道路を整備し、自動運転の循環バスを走らせる実証実験区画としてしまった方が良いのではないでしょうか。自動運転を推進する企業を助けることもできるし、自動運転の物珍しさでしばらく観光客を呼べるかもしれません。維持費は現在の道路と変わらないまま利便性を上げることができます。